リノベーションで固定資産税はどう変わる?上がる工事と下がる工事を徹底解説|【YUYUリノベ コラム】

リノベーションで固定資産税はどう変わる?上がる工事と下がる工事を徹底解説

2024.09.12

リノベーションを検討する際に、「リノベーションを行うと固定資産税が上がるのか?」という疑問をお持ちの方は多いかと思います。

実際、リノベーションの内容によって、固定資産税が増えるケースもあれば、逆に減額の対象となる場合もあります。

この税金の変動を正しく理解することは、賢いリノベーション計画に欠かせない要素です。

この記事では、増築やスケルトンリフォームといった税額が上がる工事の特徴や、耐震補強や省エネリフォームなど税制優遇措置が受けられる工事について詳しく解説します。

さらに、固定資産税に影響を与えない工事も紹介し、読者がリノベーションを進める際の判断材料となるよう、わかりやすくご説明します。

この記事を通じて、固定資産税の負担を把握し、リノベーションを成功させるための正確な知識を得ることができるでしょう。

この記事でわかること

  1. 固定資産税が上がるリノベーション工事とは?
    増築や用途変更、スケルトンリフォームなど、税額に影響を与える具体的な工事内容について解説します。
  2. 固定資産税が下がる可能性がある工事とは?
    耐震補強やバリアフリー、省エネリフォームといった、減税の対象となる工事や条件について詳しく紹介します。
  3. 固定資産税に影響を与えない工事内容
    内装リフォームや劣化防止メンテナンスなど、固定資産税に影響を与えない工事例を説明します。

リノベーションと固定資産税の関係

リノベーションを検討する際、固定資産税がどのように変わるかを把握しておくことは重要です。

固定資産税は、建物の「評価額」に基づいて課される税金であり、この評価額はリノベーションの内容に応じて変動します。

つまり、工事によって税額が増える場合もあれば、条件によっては減額されることもあります。

固定資産税の仕組み

固定資産税は、所有している建物や土地の価値を示す「評価額」をもとに計算されます。

この評価額は、建物の状態や設備、面積などによって変わり、リノベーションでこれらが向上すると、評価額が上がることがあります。

その結果、固定資産税が増加する可能性がある一方で、特定の条件を満たせば、減額措置を受けられる場合もあります。

リノベーションで評価額が変わる理由

リノベーションで評価額が変わる理由は、工事内容によって建物の価値が変動するためです。

建物の増築や大規模な改修工事は、建物の価値を高める要因となり、その結果、評価額が上がることがあります。

たとえば、床面積を広げる増築や、最新の設備を導入する工事は、建物の機能や価値を向上させるため、固定資産税が上がる原因となりやすいです。

一方で、評価額に影響しないリフォームもあります。

例えば、内装のリフォームメンテナンスは、建物の価値や機能に大きな変化を与えないため、評価額が変わらないことが一般的です。

固定資産税が上がるリノベーション工事の例

増築
建物の面積を拡張する増築工事は、評価額が上がる代表的な例です。
特に、延床面積が増えると、建物の価値が大幅に上昇し、その結果、固定資産税が増えることがあります。

スケルトンリフォーム
内部をすべて解体し、骨組みだけを残して大規模な改修を行うスケルトンリフォームは、実質的に建物が新築と同等の価値を持つことになります。
これにより、評価額が高くなり、固定資産税も上昇します。

最新設備の導入
キッチンや浴室など、生活の質を向上させる最新設備を導入した場合、建物全体の価値が上がり、それに伴って評価額も上がることがあります。

用途変更
住居を事務所や店舗などの商業施設に変更する用途変更も、固定資産税の増加を引き起こすことがあります。
商業用不動産は住宅よりも高い評価額がつけられるため、税額も増える傾向があります。

固定資産税が下がるリノベーション工事の例

耐震補強工事
特定の条件を満たした耐震補強工事を行う場合、固定資産税が減額されることがあります。
特に、昭和57年以前に建築された建物に耐震工事を行うと、多くの自治体で減税の対象となります。

省エネリフォーム
断熱性能を向上させるために窓や外壁を改修したり、太陽光発電を導入する省エネリフォームも、減税措置の対象となることがあります。
これらの工事は、建物のエネルギー効率を改善し、環境負荷を減らすため、各自治体が税制優遇を実施している場合が多いです。

バリアフリーリフォーム
高齢者や要介護者が居住する家で、バリアフリー化を目的とした工事(段差の解消、手すりの設置など)を行う場合も、税額が減額されるケースがあります。
自治体によっては、減額の条件が定められているため、事前に確認することが大切です。

固定資産税に影響を与えないリフォームの例

内装の変更
壁紙の貼り替えや、フローリングの変更などの内装工事は、建物の評価額に大きな影響を与えることがないため、固定資産税が変わることはほとんどありません。

劣化防止のメンテナンス
屋根や外壁の補修など、建物の劣化を防ぐためのメンテナンスは、建物の価値向上につながるわけではないため、固定資産税に影響を与えることはほとんどありません。

リノベーション計画前の確認が重要

リノベーションを計画する際には、事前に工事内容が固定資産税にどう影響するかを確認しておくことが非常に大切です。

特に、増築や用途変更など評価額に大きく関わる工事を行う場合は、リノベーション後の税負担がどの程度になるかを予測することが重要です。

自治体や専門家に相談し、正しい情報を得ることで、税負担も含めたリノベーション計画を立てることができるでしょう。

固定資産税が上がる工事とは?

リノベーションを行う際、工事の内容次第で固定資産税が上がることがあります。

固定資産税は、建物の「評価額」に基づいて課される税金であり、リノベーションによって建物の価値が向上すると、評価額も上昇し、その結果、税額が増加する可能性があるのです。

ここでは、固定資産税が上がる代表的な工事について、具体的な事例や影響を交えながらご説明します。

増築工事

増築工事は、床面積が増えることで建物の価値が上がり、評価額が増加します。

例えば、家の一部を増築し、リビングや寝室を拡張した場合、延べ床面積が増えるため、固定資産税の負担も増えることが一般的です。

自治体によっては、10平方メートル以上の増築で評価額に大きな変動が生じることがあります。

工事後の評価額は、自治体の評価基準に基づいて決まるため、事前に自治体に確認しておくと安心です。

スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームは、建物の内装をすべて解体し、骨組みだけを残して全面的に改修する大規模なリノベーションです。

建物の構造自体は変わりませんが、内部を新築同様に再生するため、建物の価値が大幅に向上します。

これにより、評価額も上昇し、結果として固定資産税が増加することが多いです。

築20年以上の古い建物で行うスケルトンリフォームでは、特に大きな価値の変動が見られることがあり、工事後は新築に近い評価額がつけられるケースも少なくありません。

用途変更

住宅を事務所や店舗など、商業用不動産に変更する「用途変更」を行う場合、評価基準が変わるため、固定資産税が上がることがあります。

商業施設やオフィスなどの不動産は、一般的に住宅よりも高い評価額がつけられるため、税額も増加する傾向があります。

例えば、住居としての評価額が年間30万円の物件を店舗に変更すると、評価額が50万円に上昇し、それに伴い固定資産税も増加する可能性があります。

用途変更の際は、変更後の評価基準がどうなるかを自治体に確認することが重要です。

最新設備の導入

最新設備の導入も、建物の評価額を引き上げる要因となります。

特にシステムキッチンや高機能バスルーム、床暖房などの快適性を高める設備は、建物の価値を高め、評価額が上がることがあります。

例えば、高性能のシステムキッチンを導入することで、建物の評価額が3%~5%程度上昇するといったケースが考えられます。

設備の導入による快適性の向上は税額にも影響するため、導入する設備の規模や費用を考慮することが大切です。

エクステリア工事

建物の外構部分、例えば庭や門、フェンス、カーポートなどのエクステリア工事も、固定資産税に影響を与えることがあります。

特に、大規模な外構工事は建物全体の価値を高める要因となり、その分評価額が上がることがあります。

例えば、立派な門やカーポートの設置は、建物の外観や機能性を大きく向上させるため、固定資産税の増加につながる可能性があります。

工事後の評価額と税額の確認が大切

リノベーションで固定資産税が上がるかどうかは、工事内容や規模によって異なります。

特に、増築やスケルトンリフォーム、用途変更といった大規模な工事は、評価額に大きな影響を与えるため、税額の変動を事前に把握しておくことが重要です。

工事が完了した後、自治体が建物の新しい評価額を決定するため、その際に固定資産税がどの程度増加するかを確認し、リノベーション計画を立てる際の判断材料にしましょう。

固定資産税が下がる工事とは?

リノベーションを検討する際、特定の工事によっては固定資産税が下がる場合があります。

これは、自治体による減税措置や優遇制度が適用されることが多いためです。

計画を立てる前に、どの工事が減税の対象となるのかを知っておくことで、リノベーションをより効率的に進めることができます。

ここでは、固定資産税が下がる代表的な工事についてご紹介します。

耐震補強工事

昭和56年以前に建てられた住宅は、旧耐震基準に基づいて設計されているため、耐震補強工事を行うことで固定資産税の減額が期待できます。

多くの自治体では、耐震工事を実施すると固定資産税の1/2が減額される制度が設けられています。

具体的な減額期間は最大で5年間など、工事の規模や内容に応じて決まります。

事前に自治体へ確認し、耐震補強によるメリットを最大限に活用しましょう。

省エネルギーリフォーム

建物の省エネ性能を向上させるリフォームも、固定資産税が下がる可能性があります。

たとえば、窓や外壁の断熱性能を向上させる工事や、太陽光発電システムの設置が該当します。

窓の断熱改修では、工事費用の2分の1が減税対象になることがあり、また、太陽光発電システムを導入すると、固定資産税の減額が3年から5年適用されるケースが一般的です。

エコリフォームを通じて、将来の光熱費削減とともに税負担の軽減を図ることができます。

バリアフリーリフォーム

耐久性や省エネ性能が高く、長く住み続けられる住宅として「長期優良住宅」に認定されるための改修工事も、固定資産税の減額対象です。

断熱性の向上や耐久性を高める工事を行い、長期優良住宅として認定されると、最大5年間、固定資産税の減額を受けることができます。

工事内容によっては、さらに長い減額期間が適用される場合もあるため、改修を計画する際は、認定基準を満たす工事を検討することが賢明です。

自治体独自の減税措置

地域によっては、自治体が独自に設けている減税措置があります。

たとえば、災害対策や地域の特性に応じた省エネ促進リフォームが対象となることがあります。

具体的には、地域の防災計画に沿った耐震工事や省エネ設備の導入などが該当し、自治体ごとに異なる条件が設定されています。

リノベーションを検討する際には、まず地元自治体の窓口や公式サイトで、利用できる減税措置を確認しましょう。

減税措置の確認が重要

リノベーションで減税措置を受けるためには、工事の内容や規模によって適用条件が異なるため、事前に自治体に確認しておくことが非常に重要です。

減税が適用される期間や条件は各自治体で異なり、適切な申請が必要になる場合も多いため、リノベーションを進める際には、事前準備をしっかり行うことをおすすめします。

早めの相談と確認によって、リノベーション後の税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

固定資産税に影響を与えないリフォーム

リノベーションやリフォームを計画する際、固定資産税が上がるかどうかは多くの人が気になるポイントです。実際には、税額に影響を与えないリフォームも多く存在します。

ここでは、固定資産税が上がる心配のないリフォーム工事について、その具体的な例と理由をご紹介します。

内装の変更やメンテナンス

壁紙の貼り替えやフローリングの張り替えなどの内装工事は、建物の評価額に影響を与えません。

これは、地方税法に基づく評価基準で、建物の価値に大きな変化を与えない工事は固定資産税の算定基準には含まれないためです。

たとえば、クロスの貼り替えや経年劣化による修繕は、評価額の増加に影響しないとされています。

このようなメンテナンスは、建物の価値を向上させる目的ではなく、現状維持のために行われるため、税額が増えることはありません。

設備の交換(既存機能の維持・改善)

キッチンやバスルームなどの設備を新しいものに交換する場合も、固定資産税に影響することはほとんどありません。

既存の設備を単純に置き換える工事は、建物の評価に大きな影響を与えるものではないためです。

例えば、システムキッチンや浴室設備の交換は、建物の基本的な機能を維持するための工事として扱われるため、固定資産税の対象外となるのが一般的です。

ただし、設備の大幅なグレードアップや高価な仕様への変更を伴う場合は、税額に影響が出ることもあるため、事前に自治体に確認しておくことをお勧めします。

屋根や外壁の補修

屋根や外壁の修繕も、固定資産税に影響しないリフォームです。

これは、劣化した部分を修理することで建物の耐久性を保つ目的であり、建物の価値を大きく向上させるものではないためです。

例えば、屋根の修繕や外壁の塗り替えは、外観を改善するものの、建物自体の評価額に反映されることは少なく、固定資産税の増加につながることはありません。

ただし、屋根を全面的に新しくしたり、外壁材を高級なものに変更する場合は、影響が出る可能性があるため注意が必要です。

劣化防止のためのメンテナンス

建物の耐久性や安全性を保つためのメンテナンスも、税額に影響を与えません。

窓枠やシーリング(コーキング)の打ち直し、給排水管の修理などは、建物の機能を維持するための作業であり、これも評価額に反映されないリフォームです。

劣化防止のための工事は、建物の価値を高めるのではなく、維持管理の一環として扱われます。

そのため、税額が増える心配をせずに、これらの工事を安心して行うことができます。

設備の修理・交換

給湯器やエアコンなどの設備修理も、固定資産税には影響しません。

これらの設備は、建物そのものの評価とは異なるものであり、生活をサポートするための付随設備とみなされます。

たとえば、給湯器の修理やエアコンの交換は、建物の基本的な評価額には反映されないため、固定資産税が増えることはありません。

したがって、日常的な設備の修理や交換については、税額を気にせず実施できると言えるでしょう。

リフォーム前の確認が重要

リフォームによって固定資産税が上がるかどうかは、工事の内容によって異なります。

今回紹介したような内装の変更や設備の交換、メンテナンスに関しては、基本的に税額が増えることはありませんが、リフォーム内容や規模によっては評価額に影響を与える可能性があるため、事前に自治体に確認しておくことをお勧めします。

特に、大規模なリフォームや高価な設備を導入する場合には、適用されるルールを確認することが大切です。

リノベーションを行う際の注意点

リノベーションは住まいを快適にし、暮らしを豊かにする大きなステップです。

ただ、成功させるためにはいくつかのポイントに注意することが重要です。

ここでは、リノベーションを始める前に知っておきたい、注意すべき点を具体的にご紹介します。

予算の設定と管理

まず、しっかりとした予算の設定と管理が欠かせません。

リノベーションは工事内容や規模に応じてコストが大きく変動します。

希望の工事をすべて実現するために、最初に全体の予算を明確に決めておくことが大切です。

加えて、予算には余裕を持たせることを忘れないようにしましょう。工事中に予期せぬ変更や追加費用が発生することもあるため、総予算の10~15%程度を予備費として見積もっておくと安心です。

法規制の確認

リノベーションを進める際、建築基準法や都市計画法などの法規制に注意する必要があります。

特に大規模な工事や増築を計画している場合、許可が必要なこともあるため、事前に確認しておくことが重要です。

また、用途地域や建物の高さ制限など、自治体の規制によって工事内容が制限されることもあります。

例えば、外壁の変更や増築は、周囲の景観や建物の構造に関わるため、事前に役所で確認しておくと、後のトラブルを避けることができます。

耐震性や断熱性能の向上

リノベーションは、見た目や使い勝手を良くするだけでなく、耐震性や断熱性能を向上させるチャンスでもあります。

特に古い建物の場合、耐震補強は安全性を高めるために欠かせません。

また、断熱性の改善は、住まいをより快適にし、冷暖房の効率を高めることで光熱費の節約にもつながります。

窓の断熱リフォームや外壁の断熱材強化など、長期的にメリットのある工事も積極的に検討すると良いでしょう。

さらに、自治体によってはこうしたリフォームに対して補助金が用意されていることもあるため、事前に確認しておくとさらにお得です。

施工業者の選定

施工業者選びは、リノベーションの成否を左右する非常に重要なポイントです。

複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、自分に合った業者を選ぶことができます。

選ぶ際には、過去の施工実績や、他の顧客からの評価を参考にすると良いでしょう。

さらに、単に価格が安いだけでなく、施工内容やアフターサービスの充実度も考慮することが大切です。

特に、工事後に不具合が生じた場合、きちんと対応してくれるかどうかは重要な判断材料になります。

スケジュール管理と住まいの確保

リノベーションは、工事期間中の生活にどう影響するかも考慮が必要です。

特に、住みながら工事を進める場合、キッチンやバスルームが使えない期間が発生することもあるため、事前にその期間をどう乗り切るかを考えておく必要があります。

また、工事期間中に一時的に他の場所で生活する場合は、工事のスケジュールをしっかり確認して住まいを確保しておくことが大切です。

計画的に進めることで、工事中のストレスを減らし、スムーズにリノベーションを進めることができます。

将来を見据えた設計

リノベーションを行う際には、現在の生活だけでなく、将来の家族構成やライフスタイルも考慮した設計が重要です。

例えば、子供が独立した後の使い方や、将来的に高齢者が住むことを考えてバリアフリー設計を取り入れるなど、長く快適に暮らせる家づくりを意識しましょう。

こうした将来の変化を見据えた設計にしておくことで、ライフステージが変わっても住み続けられる家にすることができます。

リノベーション前に準備をしっかりと

リノベーションは家をより快適にする素晴らしい機会ですが、成功させるためには、事前の準備がとても重要です。

予算の管理や法規制の確認信頼できる施工業者の選定など、慎重に進めることで、安心してリノベーションを進めることができます。

また、耐震性や断熱性能の向上将来のライフスタイルを見据えた設計など、長期的な視点を持つことで、より満足度の高い住まいを実現できます。

しっかりと準備を整え、理想のリノベーションを成功させましょう。

この記事では、リノベーションを行う際の注意点について紹介しました。
リノベーションを成功させるためには、以下のポイントが重要です。

・予算をしっかり設定し、余裕を持たせる
・法規制や自治体のルールを事前に確認する
・耐震性や断熱性能を向上させる
・信頼できる施工業者を慎重に選定する
・スケジュール管理と住まいの確保を忘れずに行う

これらのポイントを押さえれば、リノベーションがスムーズに進められ、理想の住まいを実現することができますね。
しっかりと準備をして、快適な住まいづくりに取り組みましょう

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